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離職を防ぐ人事評価の見直しと具体的な手法

  • 更新日:2021/11/24
  • 投稿日:2021/11/24

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事業成長を支える柱として、従業員の定着とスキルアップが挙げられます。そして従業員の早期の離職を防ぐためには、適切な人事評価と、それにともなう人事配置を行うことが重要です。従業員のモチベーションにつながる人事評価とは、どのようなものなのでしょうか?本記事では、その具体的な方法をご紹介します。

この記事でわかること
  1. 早期離職を防ぐために考えたい人事評価の手法
  2. MBO(目標管理制度)で成果主義に見合った評価を実現
  3. 360度評価で評価の納得度を高める
  4. 新しい評価制度の導入方法
  5. すぐに使える!離職防止に役立つツール
  6. 適切な人事評価は企業成長の礎に

早期離職を防ぐために考えたい人事評価の手法

さまざまな働き方を選択することができ、キャリアの捉え方が柔軟になりつつある昨今、従業員の早期離職は企業にとって大きな課題となっています。

従業員の離職理由は勤務年数によって異なります。労働政策研究・研修機構の調査によると、離職した理由としてもっとも多い項目が、1年以内で辞めた従業員は「仕事が上手くできず自信を失ったため」であるのに対し、3年以上勤務した従業員は「キャリアアップのため」としています。いずれも正社員として入社後離職した1社目について質問した結果ですが、企業側が離職を防ぐためにできたことは、適切な人事評価だったといえるでしょう。

では、離職を防ぐために企業はどのような人事評価制度を取り入れるべきなのでしょうか。従業員のモチベーション維持に結びつくとされる、次の2点の手法をおすすめします。

  1. MBO(目標管理制度)の導入
  2. 360度評価の導入

それぞれどのような評価制度なのかを、次項で詳しく解説します。

MBO(目標管理制度)で成果主義に見合った評価を実現

MBO(目標管理制度)とは、グループまたは個人で目標を設定し、その達成度に応じて評価を定める制度です。経済学者のピーター・ドラッカーが提唱したもので、“Management By Objectives”の略称です。

MBOは次の4つの項目において目標を設定し、従業員を適切かつ客観的に評価することを目指します。

  1. 能力開発目標
  2. 職務遂行目標
  3. 業務改善目標
  4. 業績目標

MBOを導入するメリットは、年齢や勤続年数と関係なく、出した成果によって従業員を評価できることです。成果が目標達成と連動して評価に直結することは、従業員のモチベーションにもつながります。

一方、MBOを過度に意識すると、目標に示されたこと以外の業務に関心がなくなるといったデメリットも挙げられます。また、進捗確認や評価後のフォローなどを怠ると、従業員のスキルに見合っていない目標設定が従業員の負担となり、逆効果になることもあるので注意しましょう。

360度評価で評価の納得度を高める

360度評価とは、一人の従業員を周囲の複数メンバーで評価する制度です。この制度は、人事評価の主軸というより、人事評価を補完するフィードバックとして採用されることが多い手法です。

360度評価は、評価される従業員が多面的に自分の成果を把握できることがメリットです。上司だけでなく、さまざまな人から見た自分の強みを理解することで、自信をもちつつ、次の目標を設定することができるでしょう。また、昨今普及が進んでいるテレワークとも相性がよいことで注目されています。

一方、360度評価にはふだん評価に携わらないメンバーも参加するため、主観による評価の変化が生じてしまうのが難しいところです。また、高く評価されたいために、上司が部下を厳しく叱りづらくなったり、お互いが甘く評価し合ってしまったりといったデメリットが生じる可能性もあります。

新しい評価制度の導入方法

最後に、今回紹介したMBOと360度評価を取り入れる際の手順と注意点をご紹介します。

MBOの導入ステップ

MBO導入手順は、次のとおりです。

  1. 組織目標を立てる
  2. その目標と連動した各従業員の目標を設定する
  3. 目標を達成するための行動プランを上司と部下間で確認する
  4. 上司が進捗確認しながら行動プランを実行し、適宜軌道修正する
  5. 目標達成に対し、上司が評価する

とくに注意したいのは、目標のレベルと行動プランの具体性です。従業員に適切な負荷をかけながら、迷わず目標に向けて働けるよう、上司と部下の間で確認を取り合いながら内容を決めましょう。

360度評価の導入ステップ

360度評価については、組織全体が360度評価について理解するための準備が重要です。

  1. 管理職メンバーへの説明会の開催
  2. 従業員への説明会の開催
  3. 試験的運用
  4. 評価への反映
  5. 本制度としての導入

また、経営者および役員クラスメンバーと人事部との間で360度評価を取り入れることの意義を再確認し、どのような結果をもたらしたいか事前にすり合わせをしておきましょう。説明会では、旧評価制度との違いを明らかにするとともに、互いの評価の仕方を想像できるケーススタディなども盛り込むとわかりやすいです。

すぐに使える!離職防止に役立つツール

これらの評価制度を導入しようとすると、評価制度に関する知識やノウハウだけでなく、実施するための人的リソースが必要になります。「離職は防ぎたいけれど、新たな評価制度を導入するだけのゆとりがない」という場合は、人事管理ツールを導入して経営に負担をかけない形で離職防止策に取り組んでみましょう。

クラウド型人事労務ソフトシェアNo.1の「Smart HR」は、人事や労務の業務効率化を図れるツールです。人事評価機能付きなので、従業員ごとに目標を設定して業務や行動の結果を管理することも可能です。人事評価のプロセスや客観性のあるデータがツールで可視化されることで、従業員の評価に対する納得感も向上するでしょう。

また、同ツールの従業員満足度調査を行える機能「従業員サーベイ」を活用すると、離職しそうな従業員や従業員が会社に求めていることを可視化できるようになります。

従業員サーベイでは、従業員に対するアンケートの作成、配信、改修、集計、分析が可能です。アンケートの結果をもとに会社の体制を見直したり、福利厚生制度を充実させたりすることで、定着率の向上が図れます。

適切な人事評価は企業成長の礎に

企業成長を支えるのは、一人ひとりの従業員です。彼らに長く働きたいと感じてもらえるよう、まず人事評価が適切かどうか見直すところから始めてみてください。今回ご紹介したのは、あくまで人事評価の手法の一例です。従業員の仕事を正当に評価すること、モチベーションを維持することを念頭におきつつ、自社に合った形のアプローチを模索し続けましょう。


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執筆プロフィール
BUDDY+編集部
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