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経営者がコストを見直すべき5つのタイミングとは?
- 更新日:2024/02/15
- 投稿日:2024/02/15
物価高騰が続いている2024年2月現在、売上げが順調に伸びていても、利益が思うようにでていないケースは多々あります。「売上げ」を伸ばすだけでなく、そこからいかにして「利益」を出し、「キャッシュ」を確保しておくことが優先課題ではないでしょうか。そういった観点では、定期的なコストの見直しが必要ではないでしょうか? ただし、ここで抑えておくべきことは、「コスト」と「投資」の違いです。 「コスト」は事業継続のための資金、それに対し「投資」は事業拡大のために必要な資金です。言い方を変えるとすれば、会社を「守る」ための資金である「コスト」と、会社を拡大していくための「攻め」の資金である「投資」。経営者は、この2つのバランスを保ちながら、適切なタイミングで見直しを図っていくことが重要であると言えます。 本業で利益をあげるために、その資金が本当に必要かどうか?を経営者は考え抜かねばなりません。 ここでは、経営者がコストを見直すべき5つのタイミングについてお伝えいたします。
経営者がコストを見直すべき5つのタイミング
5つのタイミング ●業務の拡大や変更をするとき ●役員・従業員が増えるとき、減るとき ●借入金が増えるとき・減るとき ●現預金が増えるとき・減ったとき ●法令の改正があったとき |
1.業務の拡大や変更するとき
法人が業務の拡大や変更を行う場合、それに伴い、「設備投資」をするために追加融資を受ける可能性もあります。計画通りに返済できるのかどうかはもちろん、活用できる補助金・助成金などを調べておくことも重要ですね。
2.役員・従業員が増えるとき、減るとき
代表者や役員の就任・退任、従業員の採用・退職など、会社をささえるメンバー構成に変更があった場合には、適切な退職金が準備されているかどうかの確認が必要です。
<増>役員や従業員が増えた場合は、コスト増という考え方ではなく、適切な投資増になります。また、これに伴い、将来の退職準備の積立などの投資も増えるわけですね。特に、従業員全員付保など、基準を満たしていない場合には、税金にも影響を及ぼしますので、定期的なメンテナンスが必要ですね。
<減>役員や従業員が退職されるなど減少した場合も、経営者としてのメンテナンスは必要です。税金はもちろん、全体をあらためて確認することにより、効率的な資金準備が何かを考えるきっかけづくりにもなるはずです。
3.借入金が増えるとき・減るとき
<増>借入金が増える時は、経営者に万一のことがあった場合も返済できるかどうかが重要であり、借入金の増=万一の場合に対処する資金対策等、十分な備えが必要となります。コストパフォーマンスのいい対策で準備できているかどうかがカギになってくるわけですね。
<減>借入金の返済が順調である場合は、余裕資金が増えるようなケースもあり、新たな投資にまわすチャンスも増えるかも知れませんね。
4.現預金が増えるとき・減ったとき
<増>固定費など一定額の確保は必要ですが、現預金のまま保持しておくよりも、効率的な資産形成の方法として、保険での資産形成という方法もあります。
<減>現預金が減っている場合は、無駄なコストを削ることはもちろんですが、活用できる補助金・助成金なども専門家を通じて調べてみましょう。
5.法令改正があったとき
法人が所属する業界や法令の改正により、資金繰りに影響を受ける場合がありますので、コストの見直しを行うかどうかの検討が必要ですね。
ここまで、コストを見直すべき5つのタイミングについて説明してきました。
さらに、重要になってくるのが、効果的な「投資」です。経営者においては、「コスト」は適切な見直しが必要であるものの、従業員のモチベーションアップや生産性の向上につながるような「投資」は削るべきではありません。
ここからは、「コスト」の見直しをしながら、より計画的な「投資」を検討するための事前準備について解説していきます。
「コスト」と「投資」をバランスよく準備するための「決算書」の役割
「コスト」と「投資」をバランスよく準備するために ●「貸借対照表(B/S)」の確認 ●「損益計算書(P/L)」の確認 |
「コスト」と「投資」をバランスよく準備するためには、「決算書」を3期分準備し、ポイントとなる勘定科目を見ていきましょう。
「貸借対照表(B/S)」の確認
まずは、決算書のうち、「貸借対照表(B/S)」を3期分並べ、「長期借入金」「短期借入金」の各勘定科目が増えているのか、減っているのかをチェックしてみましょう。「長期借入金」が減っている場合は、順調に返済できている可能性が高く、増えている場合は、資金繰りを圧迫している可能性もありますので、「現預金」の増減もあわせて確認することが重要です。
ただし、「長期借入金」が増えているケースのなかでは、生産性の向上のために「設備投資」をしているケースもあるため、一概に問題があるわけではありません。ここでは、経営者の感じている資金繰りに対するイメージと、実際の決算書から受け取るイメージがまずあっているのかどうかが重要となってくるわけです。
資金繰りが苦しく、長期借入金が増えているようなケースでは、「損益計算書(P/L)」でコストの無駄がないかどうかも見ていく必要があるかも知れません。
※貸借対照表(B/S)の見方については、こちら記事もあわせてご確認ください。
「損益計算書(P/L)」の確認
損益計算書(P/L)で重要なのは、ここに掲載されていないお金の動きを経営者がしっかり把握しているかどうかになります。「当期純利益」は黒字であるにもかかわらず、いっこうに資金繰りが改善できないのは、ここに記載されていない「元本返済」などが資金繰りを圧迫しているケースが考えられます。返済額、返済計画の見直しが必要かどうか、融資方法を変更すべきかどうかなどの見直しが必要かも知れませんので、経営者として、「損益計算書」をしっかり分析して、成果が見込まれる対策を検討しておきましょう
2つの「決算書」で課題が明解になったら、実践の優先順位を検討しましょう。
今すぐ実行できることが何かを確認することはもちろんですが、すぐ実行できなくても、先に解説した「コスト」見直しの5つのタイミングを念頭におき、より効果のでるタイミングはいつなのかを計画することが重要です。
大切なのは、いつでも実践できるよう事前準備をしておくということです。つまり、コスト見直しのウォーミングアップにおいては、「決算書」の分析はなくてはならないものと言っても過言ではありませんね。
「コスト」の見直しが必要な「投資」につながる
経営者にとって、適正な「コスト」の見直しは、必要な「投資資金」を生み出すことにもつながります。生産性向上のための「設備投資」はもちろん、従業員の賃金アップも従業員のモチベーションアップにつながることを考えるなら、一種の「投資」であると言えます。
「コスト」と「投資」の違いを経営者自身が理解することができれば、すべての企業は利益を出し、キャッシュを残せることができることでしょう。そういった観点でも、「決算書」を経営者自身が読み解き、5つのタイミングをしっかり把握して、企業経営に効果的なタイミングでコストの見直しと資金準備をすることが重要であると言えます。
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