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【2026年10月】カスハラ法改正に備える中小企業の実務対応と補助金活用
- 更新日:2026/07/21
- 投稿日:2026/07/21
近年、顧客や取引先等による暴言や威圧的な言動、不当な要求などの「カスタマーハラスメント(カスハラ)」が社会問題となっています。従業員の精神的負担や離職の増加、企業の生産性低下につながるケースもみられます。 こうした状況を受け、2025年6月に労働施策総合推進法が改正され、2026年10月1日から企業に対してカスタマーハラスメント対策が義務付けられます。これまで努力義務とされていた「顧客等による著しい迷惑行為から労働者を守るための措置」が、法令上の義務として明確に位置付けられることになります。 特に中小企業にとっては、「何から始めればよいのか」「対策費用をどう捻出するか」が大きな課題です。本記事では、法改正のポイントと補助金・奨励金の活用方法について解説します。
法改正の背景と目的
今回の法改正は、カスタマーハラスメントから労働者を保護し、企業による組織的な対応を促進することを目的としています。
近年、不当な要求や暴言、威圧的な言動などにより、従業員が精神的・身体的な負担を受ける事案が社会的な課題となっています。こうした状況を踏まえ、従業員が安心して働ける職場環境の確保に向けて、企業の対応責任がより明確化されることになります。
また、本改正は従業員保護だけでなく、就業環境の改善、人材定着、事業運営の安定化、企業価値の維持・向上を図ることも目的としています。
中小企業に求められる主な対応
法改正後は、事業規模を問わず、企業に対してカスタマーハラスメントへの対応体制の整備が求められます。
具体的には、次のような対応が想定されています。
・カスタマーハラスメントに関する基本方針の策定・周知
・相談窓口や報告体制の整備
・発生時の対応手順(エスカレーションルール)の整備
・管理職や従業員向け研修の実施
・被害を受けた従業員へのケア
・再発防止措置
対応不足がもたらす法的・経営的リスク
措置義務を怠った場合でも直ちに罰則が科されるわけではありませんが、対応が不十分な場合には法的・経営的リスクが生じる可能性があります。
例えば、従業員が健康被害を受けた場合には、安全配慮義務違反や労災認定、損害賠償請求につながる可能性があります。
また、行政機関からの指導・勧告に加え、人材確保や採用競争力にも影響を及ぼすおそれがあります。そのため、カスタマーハラスメント対策は法令対応にとどまらず、従業員保護や企業価値の維持・向上の観点からも重要な経営課題といえます。
補助金・奨励金を活用した対策費用の抑制
法改正への対応は避けて通れない一方で、相談窓口の整備や従業員研修、対策機器の導入には一定のコストがかかります。こうした負担を軽減する手段として活用したいのが、国や自治体が実施する補助金・奨励金制度です。
【東京都】カスタマーハラスメント防止対策奨励金
| 項目 | 詳細 |
| 対象 | 常時雇用する従業員が300人以下の都内中小企業 |
| 奨励金額 | 40万円(定額) |
| 申請期間 | <第1回事前エントリー受付> 受付終了 <第2回事前エントリー受付> 詳細は、下記特設サイトからご確認をお願いいたします。 |
| 対象事例 | カスタマーハラスメント対策に関するマニュアルの整備に加え、 カスタマーハラスメントを防止するための実践的な取組(録音・録画環境の整備orAIを活用したシステム等の導入or外部人材の活用)を実施すること |
詳細は公式ページ(カスタマーハラスメント防止対策推進事業企業向け奨励金)をご確認の上、お問合せください。
【名古屋市】中小企業カスタマーハラスメント対策支援補助金
| 項目 | 詳細 |
| 対象 | 名古屋市内の中小企業者 ※従業員を雇用していない中小企業(フリーランス等)も対象 |
| 補助率 | 対象経費の2分の1以内 |
| 補助金額 | 5万円~30万円 |
| 申請期間 | 令和8年6月22日(月)~令和8年10月30日(金)17:00必着 |
| 対象経費例 | ・管理用カメラ導入費 ・通話録音装置導入費 ・対応マニュアルなどの作成を社会保険労務士等に依頼した謝金等 |
詳細は公式ページ(中小企業カスタマーハラスメント対策支援事業)をご確認の上、お問合せください。
補助金申請時の注意点
・導入前申請が必要な場合がある
自治体によっては、設備購入前の申請が条件となっています。
購入後では対象外となるケースもあるため注意が必要です。
・募集期間が限られている
予算上限に達すると早期終了する場合があります。
・自治体ごとに制度が異なる
対象経費や補助率は自治体ごとに異なります。申請前には必ず自治体の最新情報を確認しましょう。
今から取り組むべき3つの準備
2026年10月の義務化を待つ必要はありません。今から準備を始めることで、スムーズな対応が可能になります。
①基本方針を策定する
まずは「従業員を守る」という経営姿勢を明文化しましょう。
②マニュアルを整備する
現場が迷わないように対応手順を整理しましょう。
③補助金を活用して設備投資を進める
録音装置や防犯カメラの導入は、証拠保全と抑止効果の両面で有効です。
カスタマーハラスメント対策義務化への備え
2026年10月から、カスハラ対策は企業の努力義務から法的義務へと変わります。中小企業にとっても、従業員が安心して働ける環境づくりや、人材定着、労務リスク管理の面から、早めの対応が大切になってきます。
また、前述の通り東京都や名古屋市をはじめとする自治体では、関連する補助金・奨励金制度が用意されている場合もあります。今のうちから方針づくりや体制整備を進め、活用できる制度を確認しておくことが重要です。各自治体の補助金の活用可否は制度によって異なるため、事前に各自治体へご確認いただくことをおすすめします。
東京海上日動では、保険による事後対応だけでなく、事前のカスタマーハラスメント対策についても支援しています。具体的には、「TdRのカスハラ対策パッケージ」、「東京海上日動のTalktice」、「TMSのメンタルケアサービス」などをご提供しています。自社に合った形で対策を進めてみてはいかがでしょうか?
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