企業リスク対策
経営者の病気やケガに備える。中小企業が確認したい事業継続のポイント
- 更新日:2026/10/14
- 投稿日:2026/10/14
人材の採用や育成、業務効率化に取り組んでいても、「重要な判断は結局、社長がしている」「主要な取引先との商談や資金繰りは社長にしかわからない」という会社も少なくありません。では、もし病気やけがなどで、社長が3カ月間仕事を離れることになったら、会社はこれまでどおり事業を続けられるでしょうか。 本記事では、経営者が長期間働けなくなった場合に会社で起こり得ることを整理し、事業を止めないために平時から準備しておきたい「人」と「資金」の備えについて解説します。
経営者が「働けない」状態で起きる経営リスク
経営者自らが取引先と話し、現場を見て、その場で意思決定する、といった経営スタイルの会社も多いのではないでしょうか。「この案件は社長に聞けばすぐ決まる」「重要なお客さまのことは社長が一番よく知っている」という体制が、会社のスピードや信頼関係につながっていることもよくあります。
一方で、社長に判断や情報が集中していると、病気やけがなどで経営者が急に会社を離れた際、さまざまな業務が同時に滞る可能性があります。たとえば、現場の仕事は従業員だけで進められても、
「この金額で受注してよいのかわからない」
「大きな仕入れを誰が承認するのかわからない」
「主要顧客から問い合わせがあっても、担当者だけでは回答できない」
といったことが起こるかもしれません。こうしたことが積み重なると意思決定や顧客対応に時間がかかる可能性があります。
まず整理したいのは「誰が何を代わるか」
まず確認しておきたいのが社内体制です。緊急時に誰が何を判断するのか、どこまでを現場責任者に任せるのかを決めておく必要があります。
社長が不在になったときに確認しておきたい業務
| 業務 | 社長不在時に起こり得ること | あらかじめ共有しておきたいこと |
| 見積もり・価格決定 | 提案や受注の判断に時間がかかる | 担当者が判断できる金額の範囲 |
| 重要な商談 | 顧客への回答をすぐに出せない | 代理で対応する人、相談が必要な条件 |
| 仕入れ・外注 | 発注や条件調整が進みにくい | 発注できる担当者、金額の目安 |
| 契約 | 契約締結まで時間がかかる | 代理で確認する人、契約書の保管場所 |
| 従業員への指示 | 優先順位の判断に迷う | 業務ごとの責任者 |
| 顧客・取引先対応 | 重要事項の回答に迷う | 連絡窓口と判断の基準 |
| 採用・人事 | 面接や処遇の判断が進まない | 相談先と意思決定の方法 |
ここで大切なのは、「営業は○○さん」「現場は○○さん」と大きく分けるだけでなく、どのような場面ならその方が判断できるかまで共有しておくことです。
たとえば、
「既存のお客さまとの通常の契約更新は営業責任者が進める」
「一定金額までの仕入れは担当部長が判断する」
といった目安があるだけでも、判断しやすくなります。「社長が休んだら、次に誰が社長の仕事をするか」と考えると、一人の方に大きな負担がかかるように感じるかもしれませんが、社長の仕事を一人ですべて引き継ぐ必要はありません。普段の役割に合わせて営業・現場・人事など、業務ごとに複数人で分担することで現実的な体制をつくりやすくなります。
また、いざというときだけ突然仕事を任せるのではなく、普段から少しずつ情報や判断基準を共有しておけば、人材育成にもつながります。
「社長の仕事を手放す」というよりも、社長が持っている判断の背景を、必要な範囲で社内に共有していくというイメージです。
もう一つ確認しておきたいのが、社長が持っている情報です。仕事そのものはほかの方が担当できても、必要な情報が社長の頭の中やパソコンだけにあると、すぐには動けないことがあります。
たとえば、
- 主要な顧客・取引先・外部の税理士、社会保険労務士、弁護士等の連絡先
- 取引条件や過去の経緯
- 契約書など重要書類の保管場所
- 緊急時に相談できる取引金融機関の窓口
などです。すべての情報を全社員で共有するのではなく、業務上必要な方が必要な情報にアクセスできる状態かを確認しておくとよいでしょう。
中小企業庁では、中小企業者等が策定した防災・減災の事前対策に関する計画を経済産業大臣が認定する「事業継続力強化計画」認定制度を設けています。この制度は「中小企業のための取り組みやすいBCP」と位置づけられています。
制度自体は防災・減災への事前対策を中心とするものですが、重要な業務、社内体制、必要な経営資源などを平時から整理しておくという考え方は、経営者が不在になる場合への備えを考えるうえでも参考になります。
次に対応しておきたい資金の備え
経営者が働けなくなったときに必要なのは、治療費そのものだけではありません。経営者が一定期間仕事を離れた場合でも、給与、借入返済、賃料、リース料、仕入・外注費など会社にはさまざまな支払いがあります。
一方で、社長自身が営業や重要商談を担っている会社では、社長の不在によって新規受注のペースが変わったり、案件の決定までに普段より時間がかかったりすることも考えられます。つまり、経営者が不在になると、入ってくるお金は普段より少なくなる可能性がある一方、出ていくお金は一定程度続くという状況も想定しておく必要があります。必要な金額の目安を考える際に参考になるのが、「もし3カ月不在になったら」と仮定して、現在の状況を数字にしてみる方法です。
また、病気の内容や治療方法によっては、治療を続けながら少しずつ仕事へ戻るケースもあります。そのため事業継続資金についても、復帰日だけで考えるのではなく、事業が通常の状態に戻るまでの期間を支えられるかという視点で確認すると、より実態に合った備えを考えやすくなります。
資金面の選択肢の一つ「あんしん就業不能保障保険+」
経営者が働けなくなった際の事業継続資金を準備する方法の一つとして、法人契約の就業不能保障があります。
東京海上日動あんしん生命の「あんしん就業不能保障保険+ 5疾病(※2)・障害・介護保障プラン」は、経営者が働けなくなったときの企業経営の安定化・事業継続に向けた保障を確保するための保険です。5疾病による所定の入院・在宅療養状態が60日を超えて継続したと診断された場合には5疾病就業不能保険金を、病気やケガにより所定の障害状態・介護が必要な所定の状態に該当した場合には障害・介護保険金をお受け取りいただけます。
この商品の特徴は、経営者の病気やけがそのものを「なくす」ことではなく、働けない期間の経営ダメージを和らげることにあります。
また、障害・介護保険金または5疾病就業不能保険金の支払事由に該当した場合は、将来の保険料の払込みが不要となります。
※1.出典:中小企業庁「事業継続力強化計画」(2026年8月現在)
※2.5疾病とは、悪性新生物、心疾患、脳血管疾患、肝硬変、慢性腎不全をいいます。上皮内新生物は対象となりません。悪性新生物については、保障の開始まで90日の不担保期間(保障されない期間)があります。その他のお支払事由にも所定の条件があります。詳細はパンフレット・重要事項説明書等をご確認ください。
商品名:あんしん就業不能保障保険+
正式名称:家計保障保険(無解約返戻金・保障選択型)[無配当]A型・B型
引受保険会社:東京海上日動あんしん生命保険株式会社
このご案内は、商品の概要をご説明しています。詳細につきましては、「パンフレット」「重要事項説明書(契約概要/注意喚起情報)」「ご契約のしおり・約款」を必ずご覧ください。
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