企業リスク対策
経営者がおさえておきたい「みらいのお金」公的年金と役員退職金
- 更新日:2022/10/13
- 投稿日:2022/10/13
経営者の皆さまは、現在だけでなくリタイア後の生活にかかるお金についてもよく理解し準備しておく必要があります。事業承継後の自社のためにも、今から「みらいのお金」について考えてみませんか? 本記事では、経営者が知っておきたい「みらいのお金」について、「個人としてすでに準備されているもの」「会社として準備できるもの」の2つの観点から解説します。
- この記事でわかること
経営者がおさえておきたい「みらいのお金」ーー公的年金制度について
経営者がおさえておきたいお金の設計には「個人としてすでに準備されているもの」と「会社として準備できること」2つの観点があります。この2つの現状を把握して、これから行うべき対策を検討します。まずは「個人としてすでに準備されているもの」について見ていきましょう。
リタイア後の生活資金や老後資金として、はじめに考えられるのが公的年金(老齢年金)です。公的年金はすでに準備されているお金として将来の生活設計に加えることができますが、自身の計画だけで年金受給の時期と受給の金額を決められないという課題があります。
公的年金においては、年金受給の時期と金額が将来変更される可能性があるため、老後の資金について考えたとき、公的年金では不安が残る方も多いでしょう。そのような場合は、次項で解説する経営者自身の退職金について検討してみましょう。
経営者がおさえておきたい「みらいのお金」ーー役員退職金について
「会社として準備できること」の代表的なものに役員退職金があります。会社が用意する退職金は、経営者自身だけでなく従業員へ支給する退職金も含め、経営者が制度を検討できるものです。退職金については、公的年金と異なり経営者がある程度コントロールできるものといってよいでしょう。
役員退職金についてあらためて検討する場合、次の3つの点が課題として浮かび上がります。
1. いつから始めるのか
2. いくら準備するのか
3. 準備までに時間的な余裕があるか
とくに3の「準備までの時間的余裕」については、コロナ禍のような予期せぬ事態を想定したシナリオを含めて考えなければなりません。経営が順調なときだけでなく、厳しい環境下を想定したシナリオを用意しましょう。
経営者自身が検討できる退職金制度を活用しよう
将来のお金についてこれから対策を講じる場合、自身でコントロールできない公的年金よりも、自助努力が可能な退職所得を活用する方法を検討してみましょう。そのためには、まず退職所得の特性を把握する必要があります。
退職所得には、他の所得と分離して累進性を軽減する課税方法がとられています。これは、退職所得が長期間の勤務に対する給与の一括払いであることや、退職後の生活資金の原資であるためです。具体的に、退職所得は次の計算式で算出されます。
ところが2021年の税制改正により、勤続年数5年以下の役員等の退職金については、2分の1課税の適用が除外されることになりました。経営者の皆さまは、この改正を踏まえて退職する時期を検討するなど対策を講じましょう。
なお、2022年の改正では、勤続年数5年以下でかつ役員等でない従業員の退職金(短期退職手当等)についても、短期退職手当等の収入金額から退職所得控除額を控除した残額のうち、300万円を超える部分について2分の1課税が廃止されます。
また、経営者の勇退退職金や死亡退職金、弔慰金などをいくら準備しておけばよいのかわからない、具体的な数字をイメージできないという方はこちらから目安をご確認ください。
経営者の退職金準備はタイミングが重要
経営者の退職金については、もう一つ考えておきたいことがあります。それは、「退職金を準備するタイミングによっては、自社株評価にも影響を与える」ということです。
今後の事業承継を考えるうえでは、決算書への影響も加味した金額とタイミングを考える必要があるのです。経営者の退職金準備が事業承継の時期と重なることになれば、企業に対するステークホルダーからの印象も変わってしまうでしょう。
公的な保障とは異なり、自助努力によってコントロールできる役員退職金の金額については、後回しにせず早めに準備しておくことをおすすめします。"
タイミングと金額を適切に判断するためには決算書を読もう
経営者のみらいのお金については、公的な年金だけでなく会社で準備する退職金制度の側面からも考えておくと安心です。
退職金制度について検討する際には、不測の事態を想定したシナリオから今準備すべきことの優先順位をつける必要があります。そのためには、決算書の読み方を把握しておくことが重要です。「決算書のどこを見ればよいのかよいのかわからない」という方は、決算書のチェックポイントを把握するところからはじめてみましょう。
※決算書の読み方にご興味のある経営者さまは、こちらをぜひご覧ください。
22-KC011-K002
企業リスクに備えて、
保険のプロが無料でご相談を承ります。
東京海上日動の代理店で、中小企業経営や業界別の業界に詳しい経験豊かな保険のプロが経営課題のご相談を承ります。
-
専門知識のある
保険のプロが対応 -
オンライン面談で
スムーズに相談 -
無料で何度でも
ご相談可能