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【新設】ゼロゼロ融資の返済負担を軽減するコロナ借換保証とは?
- 更新日:2023/07/03
- 投稿日:2023/07/03
新型コロナの影響による売上減を乗り切るために、ゼロゼロ融資を利用した企業も多いでしょう。その返済負担を軽減する目的で2023年1月にスタートしたのが「コロナ借換保証」。その保証限度額は、ゼロゼロ融資の限度額を大きく上回る1億円(据置期間5年以内)。この見逃せない制度の背景、ポイント、注意点を解説します。
- この記事でわかること
ゼロゼロ融資とは?
ゼロゼロ融資は、2020年3月に始まった制度です。2022年9月末までに、個人事業主を含む全国の企業に総額43兆円もの融資が実行されました。これにより、国内企業の負債は「歴史的水準まで積み上がった(引用:日経新聞電子版/2022年12月13日付)」といわれます。
その枠組みは、新型コロナの影響で売上が減少した企業に対し、実質的に無利子・無担保(利子ゼロ・担保ゼロ)で融資をするというものでした。なお、ゼロゼロ融資の新規実行は、2022年で終了しています。
ゼロゼロ融資では、日本公庫や商工中金などの政府系金融機関に加えて、民間金融機関を通して貸出が行われました。融資を受けた企業は融資から最初の3年間、利子補給によって利払いが実質免除されるのに加え、最長5年まで元金の返済も猶予されます。
2023年以降、返済が本格化する見込み
政府は2023年7月~2024年4月にゼロゼロ融資の返済開始が集中すると見込んでいます。本格化する理由は、融資を受けた企業の大半は2020年に返済を開始しているものの、経営が厳しい業界や企業は返済猶予を3年程度に設定するケースが目立ったからです。また、帝国データバンクの調査によると、5割以上返済している企業は2022年8月時点で13.3%に留まっている点からも、これから返済が本格化することが予想されます。
出典:株式会社帝国データバンク「新型コロナ関連融資に関する企業の意識調査(2022年8月)」
2023年1月スタートの「コロナ借換保証」とは?
中小企業の経営を苦しめるのは、ゼロゼロ融資による返済負担や過剰債務だけではありません。円安、物価高、人手不足などの影響で、多くの中小企業の経営環境は厳しさを増しています。
このような中、中小企業庁が2023年1月10日から開始したのが、コロナ融資の返済負担を軽減するための制度「コロナ借換保証」です。制度概要は下記のとおりです。
引用:中小企業庁「コロナ借換保証について」※2023年2月9日現在
保証限度額が1億円と設定が高く、据置期間が5年以内ということで、財務状況が悪化している中小企業にとって大きな助けになる内容ではないでしょうか。「コロナ借換保証」の注目ポイントは、保証限度額の1億円がゼロゼロ融資の限度額である6,000万円をはるかに上回っている点です。
「コロナ借換保証」を利用する際の注意点
「コロナ借換保証」の利用については、大きく2つの注意点があります。
1つ目は、融資は金融機関との密な連携が前提になることです。具体的には「経営行動計画書の作成」、そして、融資後の「金融機関による継続的な伴走支援」が必須となっています。経営行動計画書の内容については次の要素を網羅していなければなりません。
● 自社の現状認識、財務分析
● 具体的な資金使途、計画終了時点の将来目標、今後の具体的なアクションプラン
● 収支計画、返済計画(黒字化目標含む)など
「コロナ借換保証」を利用する際の2つ目の注意点は、経営状況が厳しいことを客観的数値で示さなければならないことです。以下の要件に当てはまる企業が「コロナ借換保証」の対象です。
● セーフティネット4号の認定(売上高が20%以上減少していること)
● セーフティネット5号の認定(指定業種であり、売上高が5%以上減少していること)
● 売上高が5%以上減少していること
● 売上高総利益率/営業利益率が5%以上減少していること
「コロナ借換保証」の要件を詳しく知りたい方はこちら(中小企業庁公式サイトへの外部リンク)をご参照ください
経営を苦しめる5重苦を乗り切るために、補助金の有効活用を
返済負担、過剰債務、円安、物価高、人手不足……中小企業の経営を苦しめる5重苦を乗り切るには、今回取り上げた「コロナ借換保証」はもちろん、さまざまな補助金を有効活用して、「負担の軽減」と「将来への投資」を併行して進めていく必要があります。
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