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会社にも従業員にもメリット大!企業年金の種類や導入フローを解説
- 更新日:2021/11/24
- 投稿日:2021/11/24
企業年金とは、企業が従業員に対して年金を支給する仕組みを指します。企業年金には複数の種類があり、掛金全額が損金算入できるなど、やり方次第でコストを抑えながら制度を構築することが可能です。 「老後に必要な資金は数千万円」や「公的年金だけでは不足する」など老後の資産を不安視する報道もありますが、うまく活用することで企業と従業員の双方がメリットを受けられる企業年金制度についてご紹介します。
企業年金の3つの種類とそれぞれの特徴
はじめに企業年金とは何か、またその種類とそれぞれの特徴についておさらいしましょう。
企業年金とは
企業年金とは、会社側が従業員のために年金を支給する仕組みのことです。国民年金や厚生年金とは異なり、企業年金を利用するかどうかは会社側が選択できます。
原資となる掛金は、企業側が拠出します。年金の受け取り方は、退職後に分割して受け取る「年金」と一括で受け取る「一時金」の2種類があり、一般的には従業員側が選択できます。
企業年金の種類と特徴
企業年金には大きく分けて3つの種類があり、どれを利用するのかによって得られるメリットが変わります。
①確定給付企業年金(DB)
この年金制度では、従業員が将来受け取る年金額があらかじめ確定しています。積み立てている資産の運用にあたり、予定された利回りを確保できない場合は、企業が不足額を補う(追加で資産を積み立てる)必要があります。従業員側としては、将来会社から受け取れる年金額の把握がしやすく、老後の生活設計が立てやすいという特長があります。
信託会社や保険会社がDBの年金資産を管理・運用する規約型と、企業が別の法人格として企業年金基金を設立して管理・運用・給付を行う基金型の2種類があります。
②企業型確定拠出年金制度(企業型DC)
企業があらかじめ決められた金額を拠出し、従業員が掛金の運用を行う制度です。従業員自身が運用を行うため、企業側は積立不足や退職給付債務にかかる負担を減らすことができます。企業型DCでは従業員自らが資産を運用するため、ご自身のライフプラン・投資志向に合わせた運用を行えます。
③厚生年金基金制度
厚生年金基金制度に独自の上乗せ給付を設定できる制度です。制度導入に当たっては、企業が国に代わって厚生年金の給付の一部を代行する必要があります。
従業員においては、退職後の年金給付だけでなく現役中に結婚祝金や住宅資金の融資などを受けられるものもあり、メリットを感じやすいでしょう。
企業型確定拠出年金(企業型DC)加入者数の推移
これらの企業年金のうち、特に注目を集めているのが企業型DCです。
2020年9月に公表された厚生労働省の「企業年金・個人年金制度の現状等について」によると、最近、企業型DCを導入した企業のうち約6割が新たな企業年金として企業型DCを導入しています。2001年に制度が発足してから今まで、コロナ禍においても勢いは衰えず企業型DCを導入する企業は増え続けています。
参照:企業年金・個人年金制度の現状等について|厚生労働省
企業型DCを導入する企業が増えている理由として、企業と従業員の双方において大きなメリットがあることが挙げられます。
企業においては、決まった金額を拠出するため退職金にかかる費用を平準化でき、また運用責任を負わないため追加費用の発生を防ぐことができます。従業員においては、自由に運用できることと、転職時に資産を持ち運べることが魅力です。
企業型確定拠出年金(企業型DC)導入までの流れ
企業型DC導入までは、次の手順で検討を進めていきましょう。
- 自社の退職金制度の把握
- 導入による効果の検証
- 想定利回りなど制度の詳細設計
- 運用管理機関の選定
- 運用商品ラインアップの検討
- 従業員への説明・同意の取得
- 規約の承認申請
- 従業員への投資教育
まずは、現在の退職金制度の課題を企業型DCで解決できるかどうか検討します。企業型DC導入にともなう費用負担や想定利回り、運用商品ラインアップについては、運用管理機関と相談しながら進めてもよいでしょう。
また、企業型DCの導入に当たっては労使合意が必要です。制度内容を説明するだけでなく、従業員自身が運用できるよう投資教育の場を設ける必要もあります。従業員への投資教育においては投資や運用商品に関する説明を行い、メリット・デメリットをご理解いただきましょう。
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