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人材育成と処遇改善を同時に実現!キャリアアップ助成金の効果的な使い方
- 更新日:2025/03/27
- 投稿日:2025/03/27

非正規雇用者の職員・従業員数は年々増加傾向にあることをご存知でしょうか? 人件費を抑える企業や、家庭と仕事の両立を図る労働者が増えた結果、非正規雇用者の総数は2023年時点で2124万人に達しました。役員を除いた雇用者に占める割合は37.1%で、世間の約3分の1は非正規雇用者です。 しかし、非正規雇用者は正規雇用者よりも賃金が低いうえに、雇用形態が不安定です。社会保険に未加入の労働者は罹患時の手当が不十分な点や、将来の年金に不安が残る点も指摘されています。 キャリアアップ助成金は、上記のような非正規雇用者の処遇改善や正社員化する際に使える制度で、社会保険適用時処遇改善コース以外にも正社員化コースや賃金規定等共通化コースなどが選択できます。 さまざまな選択肢がありますが、今回は非正規雇用者に社会保険を適用し、処遇改善を行った企業を対象にした、キャリアアップ助成金の社会保険適用時処遇改善コースについてご紹介します。
社会保険適用時処遇改善コースとは
社会保険適用時処遇改善コースとは、社会保険の適用拡大に伴い、処遇改善を行う企業に対して助成金を支給する制度です。非正規労働者の社会保険加入促進と、労働条件の改善を支援するため、令和5年に新設されました。具体的には、以下のいずれかの取り組みが条件となります。
● 新たに社会保険の被保険者要件を満たし、その被保険者となった際に、賃金総額を増加させる取り組み(手当支給・賃上げ・労働時間延長)を行った場合
● 週の所定労働時間を4時間以上延長する等を実施し、これにより当該労働者が社会保険の被保険者要件を満たし、その被保険者となった場合
助成額は企業規模と選択したメニューによって決定します。メニューは取り組みの内容によって異なるため、以下の表を参考にしてください。
メニュー |
対象となる条件 |
手当等支給メニュー |
賃金総額の増加と恒常的な所得の増額を実現した場合 |
労働時間延長メニュー |
新たに社会保険の被保険者となった従業員の週の所定労働時間を4時間以上延長した場合、または、所定労働時間の延長・賃金の引き上げにより従業員が新たに被保険者となった場合 |
併用メニュー |
従業員が被保険者となった後、1年目に手当等支給メニューの取り組みを、2年目に労働時間延長メニューの取り組みを行った場合 |
※出典:厚生労働省「キャリアアップ助成金のご案内(令和6年度版)」をもとに東京海上日動にて作成
手当等支給メニューは、6ヶ月を1期間として取り組みを評価しており、2年間で最大40万円の助成金を受給できます。1〜2年目は社会保険料相当額の手当支給または賃上げ、3年目は基本給の総支給額が18%以上になることが条件です。
※出典:厚生労働省「キャリアアップ助成金のご案内(令和6年度版)」をもとに東京海上日動にて作成
労働時間延長メニューの対象期間は、労働時間延長後の6ヶ月間です。所定労働時間が延長できない場合でも、賃金の引き上げ率によっては助成金を受給できます。
※出典:厚生労働省「キャリアアップ助成金のご案内(令和6年度版)」をもとに東京海上日動にて作成
併用メニューは2つの取り組みで処遇改善を図る企業を対象にしています。受給できる金額は2年間で最大50万円です。
本コースにおける助成金は、1名につき1メニューのみと定められているため、自社に適したメニューを選択しましょう。
キャリアアップ助成金とは
キャリアアップ助成金とは、企業が非正規労働者のキャリアアップを支援し、雇用の質を向上させるための助成金です。従業員の正社員化や処遇改善に取り組んだ事業主を対象に、最大80万円を支給しています。
この制度により、企業は従業員の満足度を向上させ、長期的な人材確保を期待できるでしょう。非正規雇用者は賃金の引き上げをはじめとする処遇改善が見込まれるため、労働者と事業主の両者にメリットのある助成金といえます。
キャリアアップ助成金の申請方法
キャリアアップ助成金を申請する際は、はじめに「キャリアアップ計画」を管轄労働局へ提出しましょう。その後、6か月間の取り組みを経て、支給申請を実施します。申請期間は6か月目の賃金を支払った日の翌日から2か月間と定められているため、こちらも間違いのないようにチェックしてください。
※出典:厚生労働省「キャリアアップ助成金のご案内(令和6年度版)」をもとに東京海上日動にて作成
コース別の支給額及び対象者
キャリアアップ助成金の助成額・助成率は、各コースによって異なります。
例えば、非正規雇用者を正社員化する際に活用できる正社員化コースの最大助成額は80万円です。2023年11月以降、1人あたりの助成金額が大幅に増額され、現在多くの企業で注目を集めています。
※出典:厚生労働省「キャリアアップ助成金のご案内(令和6年度版)」をもとに東京海上日動にて作成
賃金規定等共通化コースは、有期雇用労働者等の職務内容に応じた賃金規定を作成・適用した場合に活用できます。最大支給金額は60万円です。
※出典:厚生労働省「キャリアアップ助成金のご案内(令和6年度版)」をもとに東京海上日動にて作成
賞与・退職金制度コースは、有期雇用労働者等を対象にした賞与・退職金制度を新たに設け、支給・積立てを実施した場合に適用されます。
※出典:厚生労働省「キャリアアップ助成金のご案内(令和6年度版)」をもとに東京海上日動にて作成
助成金を活用した中小企業の声
キャリアアップ助成金の社会保険適用時処遇改善コースを実際に活用した中小企業からは、以下のようなコメントが寄せられています。
いずれの企業も、離職率の低下による雇用の安定をメリットにあげています。社会保険の適用にはある程度の費用が必要ですが、スキルの高い人材を長期的に雇用することで、生産性の向上を期待できるでしょう。
助成金を受給する場合は専門家へ相談!
非正規雇用者の労働時間が延長されると、従業員のスキルアップが期待できます。しかし、従業員不足が嘆かれる昨今、育成を担当する教育者の不足や、教育者の負担増に悩む企業は少なくありません。
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