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「脱炭素経営×建設業」には多くのメリットが!他社の事例も紹介

  • 更新日:2025/09/09
  • 投稿日:2025/09/09

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気候変動リスクへの対策として世界的に脱炭素化が進められている今、建設業においてもCO2の排出量削減が求められています。建設業においては、建設時だけでなく、その後建物が使用される際も含めたCO2削減への取り組みによって大きく脱炭素化を実現できるとも期待されています。 脱炭素経営に取り組むことは、光熱費や燃料費の削減につながる可能性があるなど、建設業を営む企業にとってもいくつかのメリットがあります。 本記事では、建設業全体での取り組みが求められている脱炭素経営とは何か、そのメリットをはじめ、脱炭素への取り組み方や事例についてご紹介します。

この記事でわかること
  1. 脱炭素経営とは?取り組むメリット
  2. 建設業における脱炭素経営への取り組み方
  3. 脱炭素経営実践企業の事例
  4. 脱炭素経営はじめの一歩を踏み出し発展し続ける企業へ

脱炭素経営とは?取り組むメリット

脱炭素経営とは、気候変動対策の視点を織り込んだ企業経営のことを指します。従来の企業による気候変動対策は、CSR活動の一環として行うものであり、単純なコストの増加をともなうものととらえられていました。

脱炭素経営では、気候変動対策を経営上の重大課題ととらえて、企業の維持や事業の継続にかかるリスクの低減を図りながら、成長を実現するためにCO2削減をはじめとする各施策に取り組みます。

脱炭素経営が求められている理由

気候変動による自然災害は、近年激甚化の様相を見せています。豪雨や台風による風水害などは、企業経営にも大きな影響を及ぼすものです。場合によっては、企業の存続が危ぶまれることもあるでしょう。

加えて、日本では2020年の10月に行われた当時総理大臣の所信表明演説において「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現」を目指すことが宣言されました。翌年の4月には、「2030年度に温室効果ガスを2013年度から46%削減することを目指す」ことを、地球温暖化対策推進本部及び気候サミットにて表明しています。

さらには、2023年に「GXに向けた基本方針」が閣議決定され、GX(グリーントランスフォーメーション)とともに脱炭素経営への注目が高まっている背景があります。GXとは、「環境対策に取り組みながら産業構造や社会経済を変革させること」を指す言葉です。規模によらず各企業が脱炭素経営に取り組み、自社のブランド力の向上や新規顧客獲得を進め企業力を向上することで、GXの実現を目指せます。

脱炭素経営がもたらすメリット

脱炭素経営への取り組みは、単にコスト増をもたらすものではありません。脱炭素経営を進めることで、企業は次のようなメリットを得られるでしょう。

建設業における脱炭素経営への取り組み方

建設関連では、施工時、運用時、解体時の3つの段階でCO2が排出されます。それぞれの段階でCO2を削減するには、次のような取り組みが考えられます。

これらに加えて、脱炭素経営の推進を全社的に周知することも重要です。従業員一人ひとりの心がけによって、さらなるCO2排出量の削減が期待できます。

脱炭素経営実践企業の事例

ここからは、脱炭素経営を実践する企業の事例をご紹介します。

建設現場におけるCO2排出量の測定やCO2削減への取り組みが成果に結びついた事例

地域密着型の建設会社A社は、脱炭素社会移行後に取引先からの脱炭素化対応への要請が強まることや競争が激化することを予見して、いち早く脱炭素経営への取り組みを始めた企業です。

A社では、設計や施工計画の開発・管理業務を行う管理部門と、土木や建築工事の施工を行う現場部門に分けCO2排出量を測定し、それぞれでCO2排出量を削減する施策を検討しました。その結果、管理部門ではCO2排出量が多い本社のZEB化を目指し、2022年から取り組みをスタートしています。また、ZEB化した本社はモデルルームとして公開し、脱炭素経営の取り組みを外部にアピールする拠点としても活用しています。

現場部門においては、建設機械で使用される軽油と現場内で使用される電気が主なCO2排出源であることから、アイドリングストップや省燃費運転の実施、LED照明への切り替えなどでCO2排出量を削減しています。

同社は、これらの取り組みを外部に発信することで知名度と認知度を向上させることに成功しました。また、脱炭素経営の取り組みに興味を持つ求職者にもアピールでき、人材獲得力の向上にもつながったとのことです。

車両のEV化、バイオマス燃料の活用推進を実施している事例

土木工事の請負を行っているB社では、2030年までにCO2排出量を2018年比50.4%削減することを目標に、電力の再エネ化や車両のEV化、バイオマス燃料の活用を推進しています。

実際に、2023年の同社のCO2排出量は2015年と比較して2.34トン削減されており、地道な取り組みがCO2排出削減につながっていることがわかります。

同社では、これらの取り組みによって自社だけでなくサプライヤーの省エネ活動の推進やエネルギーコストの削減、ひいては生産や調達コストの削減が見込めると分析しています。また、脱炭素への取り組みが外部企業からの評価向上やビジネスチャンスの拡大につながることを期待しているそうです。

環境に配慮された資材の使用に取り組んでいる事例

木造注文住宅の建設などに取り組むC社では、環境によい資材の使用や薪ストーブの販売、断熱への取り組みによるCO2排出量の削減に取り組んでいます。また。2030年には2018年比で50.8%のCO2排出量削減を目標に、バイオマス発電の導入や営業車のEV化も検討しています。

さらには、環境意識の高い顧客により価値の高い住宅を提供することを事業機会ととらえ、実際に断熱材の変更などを行っています。

脱炭素経営はじめの一歩を踏み出し発展し続ける企業へ

日本のエネルギー消費量の約3割を占めるとされる建築物分野では、脱炭素への取り組みが急務とされています。CO2の排出量削減は、環境だけでなく経営にも大きなメリットをもたらす可能性があるものです。

しかしながら、具体的な取り組み方について悩む経営者の皆さまも少なくないでしょう。これから脱炭素経営に着手したい方は、脱炭素経営の基本がよくわかる「GXはじめてガイド」を下記よりダウンロードのうえぜひご活用ください。

 

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執筆プロフィール
BUDDY+編集部
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